first・きす

教室に入るやいなや、
クラスの女子にあっとゆう間に囲まれた。

「ナナ!高瀬くんなんて!?」
「やっぱり告られたの!?」
「ナナ!OKした!?」

とかとにかく質問攻め…

も〜みんなうるさいよ〜!!

「ナナは誰とも付き合う気ないの!
みんなもそれは知ってるでしょ?」

そういうと、さっきまで慌てふためいていた
女子たちが落ち着きを取り戻した。

「そうだよね、あー、よかった安心!」

ほっ、よかった…
そしてようやく自分の席に座る

予鈴が鳴ったあとすぐに高瀬くんが
教室に入ってきた

「セーフ!?」

彼がそう言うと、クラスのみんなが
「そーたおせえよー!」
とか、
「高瀬くん汗かいてるよ〜笑」
とか
みんなが彼に話しかける

そういうところを見ると、やっぱり
人気があるんだなと思う

彼が席に座ると、近くに座っていた男子の
相沢玲斗(あいざわれいと)
高橋直哉(たかはしなおや)
飯坂仁智(いいさかにち)が、
「そうた、どうだった?」

と聞いた。
高瀬くんは指でバッテンをつくり、
「だめだった〜」
と少し苦い顔をして笑って見せた

「まじ!?よっしゃあ!!」
「そうたモテるから不安だったけど
まあよかったぜ〜」
と3人、

(親友が振られたのに喜ぶって…)
でも振ったのは自分だからなんとも言えない。

にしても席が近いんだから
もう少し小声で話してよ!

と心の中で4人に怒った。

それから間もなく先生が教室に
入ってきて、いつも通り授業が始まった。