白と黒〜2つのリストバンド〜

まだ明るかった空がだんだんとオレンジ色になっていった。


「……………帰ろ…」


流石に空に会えないし


私はカバンをもって玄関に来た。


「どこ行くんだよ。」


下駄箱で靴をしまっていると、後ろから声をかけられた。


「そら…」


振り返ると不機嫌な顔をした空が下駄箱に寄りかかっていた。


「帰るの」


「なんで?」


「用事があるの」


「練習は?」


「用事があるんだからできないに決まってるでしょ。」


「用事って何?」


「別に…なんでもいいでしょ。」


「…」


空は私の答えに黙り込むと私の方に歩いて来て私の手を掴んだ。


「ちょっ」


空は私を引っ張って歩き出した。


「話してよっ!」