白と黒〜2つのリストバンド〜

私は空を突き飛ばして走った。


空絶対楽しんでる!からかってる!


休み時間空は栞奈の教室に来た。けれど、教室のどこにも栞奈の姿は見当たらない。


「相田」


空は美久に声をかけた。


「あれ?空くんどうしたのー?」


「栞奈いねーの?」


「あー、図書館にいると思うよ。」


「そうか、さんきゅ」


空は美久に礼を言って栞奈の教室を出た。


「…行ったよ、栞奈」


美久は空が去ったのを確認してベランダに居た私に声をかけた。


「ありがと…」


その後の休み時間や、お昼も空は教室に来たけれど、私は美久に匿ってもらっていた。


そして放課後。ホームルームが終わっても席にいる私のところに美久が来た。


「栞奈、練習どうする?」


「んー…今日は休むね。」


「はいよ〜じゃ、また明日ね〜」


「うん、バイバイ」


美久が教室を出るのを見送りわたしは窓の外を眺めていた。