「ねぇ、霜月さん」 茶髪の男…いや、土方歳三がこいつのことを“総司”と呼んでいたから沖田総司なんだろう。 その沖田総司が私を呼ぶ。 「なんですか?」 「…」 私をじっと見つめる沖田総司。 「…?」 「いや、なんでもない。」 そう、沖田総司が目を逸らしたとき。 スッ 襖が静かに開いた。 「む、あの娘が例の娘か。」 お父さんのような優しく真っ直ぐな目をした人と土方歳三が入ってきた。