いつの間にか、周りにはギャラリーが出来ていた。
その中にも、私のことをじっと見ている二人組がいる。
だけどあまり気にしない。
「見世物じゃないの。
斬られたくなきゃ早く散れ。」
私は周りを見渡してニコリと笑って言い放った。
もちろん、目は笑っていない。
そう言えば、周りはそくささと散っていった。
あの二人組を除いて。
「何か用?
そこのお二人さん。」
「お前、只者じゃなさそうだな。
女が武士に刃向かうなど…」
そういったのは、黒髪の男。
「そうだね、一くん。
君、僕たちと屯所に来てもらうよ。」
次は茶色っぽい髪の男が言った。



