眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「だって亜紀は、甘いものは食べるけど、さほど喜ばないし。
お父さんは夕葵ちゃんみたいな娘が欲しかった」

「……実の娘を前にしていうか、それ」

いつもの近藤家の風景。
楽しいなー。

「「「「「「いただきまーす」」」」」」

大人数でのごはん。
いつもなつにぃとふたりだから、なんか違う。

「今日は夕葵ちゃんが手伝ってくれたのよ」

「ああ通りで。
いつものがさつな味がしない」

「……なんかいったか、歳にぃ」

「え、いや、なにも」

亜紀ちゃんがじろりと睨むと、歳にぃは青くなってた。

「夕葵ちゃんが勇か歳と結婚して、ほんとにうちの娘になってくれたらいいの
に」

「……いや、ダメだろ。
夏が許すわけがない」

「そうよねー。
夏生くん、夕葵ちゃん大好きですもんねー。
お嫁に来るのが無理なら、養子にならない?」