眼鏡とハンバーグと指環と制服と

要するに、牛肉と玉ねぎを炒めて、トマト缶で煮込んだもの。
仕上げに生クリームか、なかったら、コーヒーミルクを入れるのがコツらし
い。
ごはんにかけても、単独でもいいし、牛肉じゃなくて、鶏ももなんかを入れて
もいいって。

あとはまだ暑いから、ビシソワーズというより、じゃがいもの冷製スープね、
と笑いながら教えてくれたスープと、サラダ。


「ただいまー。
なんか知らんが、みんな帰りが一緒になった」

「おかえりなさーい」

何故か、おじさんも勇にぃも歳にぃも、一緒に帰ってきた。

あ、歳にぃはいろんな都合でまだ実家暮らしだけど、勇にぃは近所に住んで
る。
でも、ごはんは作るのが面倒くさいって家で食べてる。

「なんだ、そんなにみんな揃って、夕葵と遊びたかったのか?」

「え?え?え?」

お土産、そういって差し出された、三つのケーキの箱。

うーん。
どうしたら……。