眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「ううっ。
亜紀ちゃんまでいわないでー」

にやりと笑うと、亜紀ちゃんは私のあたまをぽんぽんした。

「ああ、悪い。
夕葵は可愛いからつい、な」

……なんで亜紀ちゃんはこんなに楽しそうなんだろ?
私にはわかんないよー。

ちなみに。
二学期になって席替えがあったけど、やっぱり亜紀ちゃんは私の前の席だ。

よく考えたら、出席番号順を強制されてるとき以外、小学校のときからそう。

ああ、小中高と、亜紀ちゃんとは別のクラスになったことがない。

不思議な、関係。


帰りの電車で、携帯出してメッセージを確認すると、今日は飲み会に誘われた
から、遅くなる、って入ってた。

「なーんだ」

……今日は合い挽きの特売が入ってたから、ハンバーグにしようって思ってた
のに。

「夕葵、どうした?」