眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「そんなに不安か!?」
って笑いながらも、協力してくれることになってほっとした。

結婚してから、初めて別々の家で過ごす夜。
たった一晩のことなのに、何故か凄く淋しかった。


日曜日。
お見合い当日。

「じゃあゆずちゃん、行ってくるね。
ちゃんと断ってくるから、心配しないで待っててね」

そういって、なつにぃは私のあたまをぽんぽんすると、出かけていった。

洗濯や掃除をしながら、何度も時計と携帯を見た。

……今日の計画はこうだ。

お見合い会場に勇にぃと歳にぃが乗り込んで、
「おまえがうちの妹捨てたから、妹は自殺を図った。
どうしてくれるんだ」
ってなつにぃに絡む。

ただそれだけ。

捨てた、っていうのも、なんか酷い振り方したって、いろいろ創作するらし
い。

上手くいったら連絡するから家で待ってろ、って勇にぃにいわれてた。