眼鏡とハンバーグと指環と制服と

俯いてるなつにぃは、きっとまた、涙目になってる。

……好き、だから。
聞かない。
聞きたくない。

素直にそういえない、自分が憎い。

「……もう、怒ってないから。
ごはん、食べよ?
今日はなつにぃが大好きな、チーズの入ったハンバーグだよ」

やっと顔を上げてくれたなつにぃは、涙で目が光ってたけど、笑顔になって
た。

「早く着替えてくるね!」

「ハンバーグは逃げないから大丈夫だよ!」

軽い足取りで階段を上がっていくなつにぃの背中を見送りながら、ガスに火を
つけて最後の仕上げをする。

……よかった。
仲直り、できた。

気が付いたら、上機嫌に鼻歌なんか歌ってた。


翌日。

今日は亜紀ちゃんちにお泊まり。
ちゃんとなつにぃから許可はもらえた。