眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「……!」

残りのかき氷をつついてた手が、止まった。

「香織には悪いが。
私でもいえないことか?」

「……うん。
ごめん」

「なら仕方ない。
無理には聞かない」

亜紀ちゃんの手が、俯いた私のあたまをぽんぽんする。

「……うん。
ごめん。
ほんとごめん。
亜紀ちゃん、香織ちゃん」

……ごめん。
話せるようになったら、ちゃんと話すから。
いまは、ほんとごめん……。

「てかさー、月原に彼女って時点で、私は想像できないんだけど」

カップの底に残ってたシロップを飲み干すと、香織ちゃんがそういってにひひ
って笑った。

……よかった。
香織ちゃんも怒ってない。