眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「……で。
今日のあれは、なんだ?」

かき氷を手に、日陰になってるベンチに座ると、亜紀ちゃんが口を開いた。

「みんな誤魔化されたみたいだけど。
なんかあったんだろ?」

「えっ?あっ、なにもないよ!?」

……うっ。
思わず声が上擦った。

「ほんとにー?」

「ないよ、全然。
たぶんあれじゃない?
一緒の家に住むようになって、嬉しくて仕方ない、とか?
……あ、ああっ!」

……あ、やば。

動揺し過ぎて、かき氷の上半分落ちた。

「もう、夕葵なにやってんのー」

香織ちゃんが呆れながら、私の濡れた、スカートを拭いてくれる。

「……うん。ごめん」

「……夕葵、私たちになんか、隠してるよな?」