眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「……夏生は悪くない」

あれ、は。
おばあさまか伯母様に雇われた人だったんだ。
だから、夏生はあんな。

「おばあちゃんから、自分が死んだあとはゆずちゃんを頼むって、託されて
た。
結婚すれば守れるかと思ってたけど……結局無理だったね」

「……そんなこと、ない」

……夏生はずっと、私を大事にしてくれた。
いまだって、そう。
もうちょっとだけ待っててね。
もうすぐ、自分の気持ちにけりがつくから。


その日の晩ごはんは、戻ってきて初めてハンバーグにした。

……最近は。
少しずつ家事をするようになってた。

私がごはんを作ると夏生は喜んでくれる。
それが、嬉しかった。

柏木さんのことは、まだ完全ではないけれど、いい思い出として処理できるよ
うになってた。


「ただいまー」

「おかえりー」