眼鏡とハンバーグと指環と制服と

いつもただ黙って、私の傍に座ってる。
泣きそうになると、そっと抱きしめてくれる。
それが嬉しくて、同時に罪悪感で、いっぱいで。

……柏木さんに対しても、夏生の腕の中で柏木さんのことを考えていることに
も。

一度泣き出すとなかなか涙が止まらなくて困った。


それでも。
桜が綻び始めると、少しずつ気持ちを整理できるようになっていった。

……あれから。
亜紀ちゃんにも香織ちゃんにもがっつり怒られた。
なんでもひとりで抱え込まないで、相談しろっていっただろ、って。

そんな亜紀ちゃんも四月から大学生で、県外の大学に行ってしまう。

香織ちゃんは結局、美容系の専門学校に進むんだって。
こっちも福岡市内の学校なので引っ越すといっていた。

ふたりともいなくなるのは淋しいけれど仕方ない。

そして私の進路は宙ぶらりんだ。

焦ってたら、夏生から怒られた。

焦って決めるとろくなことにならないよ、って。

確かに、芝浦の家に行ったことはそうだから耳が痛い。