眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「警備会社で働いてる。
ほら、道場、警察関係者多いでしょ?
だからそっち方面にも顔がきいて。
ちなみに今日は遅番だから、お昼から出勤だよ」

「……そう、なんだ」

「うん。
……あのね、ゆずちゃん。
無理にいろいろ考えなくていいから。
いまはあたま空っぽにして、のんびりしてて。
その、僕と一緒にいるのがつらいんだったら、亜紀ちゃんちにお世話になれな
いか、頼んでみるし」

「……でも」

「ゆずちゃんが奥さんじゃなくなっても、僕の大事な家族だってことには変わ
りないから」

そっと、夏生の腕が私を包み込む。

「……嫌だったらごめんね。
でもゆずちゃん、泣きそうだから」

「……ううん」

昨日あんなに泣いたのに、また涙が零れてくる。
夏生はただ、泣いてる私の髪を撫でてる。

「……夏生、指環、結婚指環、は?」

……もしかして、処分しちゃった、とか。

「ん?僕のはここ」