眼鏡とハンバーグと指環と制服と

しかし、まるで夏生との結婚がバレたときの学校みたいで居心地が悪い。

そんな私の気持ちを知らないのか、おじいさまは上機嫌のようだ。

……ほんと、なんで私に跡を譲るとかいいだしたんだろ?
ちょっと、いやかなり……困る。


「……はぁーっ」

帰りの車に乗るとため息が漏れた。

お開きになって、おじいさまとふたりで話をしたかったんだけど、数人の親類
の方が早くおじいさまに詰め寄ってて、無理だった。
結局、この日はおじいさまから真意を聞き出せないまま、家に帰ることになっ
てしまった。

「……お疲れ、ですね」

ルームミラー越しに、柏木さんが困ったように笑った。

「……はい。
柏木さんは今日のこと、知ってましたか?」

「いえ、全く。
寝耳に水、ですね」

「そうなんだ……。
おじいさま、なに考えてるんだろ?」

「さあ、私には」