眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「……しかし、そう簡単に楽な暮らしが手に入るのもどうか。
そうだな、晃匡。
おまえには五年で大学を卒業することを命じる。
一年の留年は許してやる。
しかし、五年で卒業できない場合は、よくて芝浦の一社員からやってもらうこ
とになる。
いいな」

「……はい」

晃匡さんは真っ青になってる。
これからは遊ばないで、真剣に勉強しなきゃいけないんだもん。
そうなるよね。


おじいさまの話が終わってお食事になっても、お座敷はざわついたままだ。

遠巻きに見ているだけで、私に話し掛けてくる人はいないので、黙々と食事を
する。

今日はお勝手に岬さんを初め数人、柏木さんの手の者が入ってるし、おじいさ
まもいるから滅多なことはできないので、安心していいっていわれてる。

みんな、ひそひそ話しながら、ちらちらと私の方を窺ってる。
それに隣の方から、憎しみのこもった突き刺さる視線。

……きっと、おばあさまと伯母様。

視線の主を探さなくてもわかる。