眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「あの、柏木さんに、くれぐれも二個までにしてください、っていわれたの
で」

「……つまらん。
……なにを笑ってる」

「意外だなーって思って」

「ふん」

おじいさまは怒ってるけど。
拗ねてるおじいさまは、まるで子供みたいだ。


そのあとはやっぱり黙り込んでしまって。
私もなに話していいのかわからない。
岬さんは出たついでに、買い物なんかの用事をすませて来るっていってたか
ら、あと一時間ほどは戻ってこない。

「……わしを恨んでいるか」

「え?」

「半ば無理矢理連れてきて。
わしを恨んでいるんじゃないのか」

突然そんなことを聞かれて驚いた。

でも。

「恨んでなんかいません。
決めたのは私ですから」

「……後悔、しているんじゃないのか」