眼鏡とハンバーグと指環と制服と

そっぽは向かれたけど、ちゃんと返事してもらえた。
なんかちょっと、嬉しい。

「お茶、淹れますね」

「…………」

おじいさまは黙ってる。
備え付けのポットからお湯を注いでお茶を淹れた。
お茶とお饅頭と一緒に出すと、おじいさまは黙々と食べ始めた。

「……おまえは食わんのか」

お饅頭をひとつ食べ終えると、おじいさまからそういわれた。

「お見舞い、ですし」

「どうせ食い切れんくらい、買ってきたんだろう。
なら、おまえも食えばいい」

「えっと。
じゃあ、いただきます」

出された手に二つ目のお饅頭を載せて、私も食べた。
上品な甘さの、餡子のお饅頭。
おじいさまの大好物とだけあって、かなりおいしい。

「ん」

「はい?」

「もう一個出さんか」