眼鏡とハンバーグと指環と制服と

お昼から、おじいさまのお見舞いに連れて行ってくれた。

……けど。

柏木さんは所用があるからって、病室まで私を案内すると行ってしまった。

「……お加減はいかがですか?」

「…………」

「あまり、無理はなさらないでくださいね」

「…………」

私がなにをいっても、おじいさまは黙ってる。
ちょっと怒ってる、みたいな。

どうしたらいいのかな?
柏木さん、早く戻ってこないかな。


それからしばらくして、やっと柏木さんが戻ってきた。
待ってるあいだずっと、気まずく自分で淹れたお茶を啜ってた。
おじいさまも黙って、お茶を飲んでるだけだった。

「夕葵さん、そろそろよろしいですか?」

「はい。
……じゃあおじいさま、お大事に」

「……また」