眼鏡とハンバーグと指環と制服と

今度は柏木さんが倒れてしまうんじゃないかと心配で、岬さんに連れて行って
もらうことを提案してみたんだけど……却下された。

やっぱり定時になると私に気を遣ってか会社を出る。

深夜、喉が渇いてキッチンにいったら、まだ柏木さんの部屋には電気が付いて
た。

……大丈夫、なのかな。


翌朝、ごはんを食べながら柏木さんはあくびを噛み殺してて、……こういうこ
とは珍しい。
よっぽど、疲れてるんだと思う。

「柏木さん?
やっぱり今日、お見舞いやめましょうか?」

「何故ですか?」

「だって、凄く疲れてるみたいだし……」

「これくらい、たいしたことはありません」

「でも……」

「問題ありませんから」

「……はい」

……柏木さんはそういってるけど。
こっちとしては心配です。