眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「えっと。
じゃあ、いただきます」

「はい」

買ってきてくれたアイスクリームは、いつも自分にご褒美か、夏生が私の機嫌
をとりたいときにしか買わない、私の中では特別なアイス。
手渡されたスプーンは使い捨てじゃなくて、ちゃんとしたスプーンだった。

……けど。
指先が痺れてるみたいな感じで、何度握ろうとしても上手く握れなくて落とし
てしまう。

「……貸してください。
……あーん」

「あ、え、えっと?」

「食べさせて差し上げます。
口を開けて」

口を開けると、そっとスプーンが差し込まれた。
アイスは優しく甘くて、ほっとさせた。

恥ずかしかったけど、もっと食べたくてまた口を開ける。
柏木さんは黙って口に入れてくれた。

何度もそれを繰り返し、気が付いたときには完食してた。