眼鏡とハンバーグと指環と制服と

ちなみに岬さんは元婦警さんとかで、めっぽう強い、って噂。

柏木さんが出て行くのと入れ違いで、岬さんがきてくれた。
ずっとお風呂に入ってない身体を、拭いてくれる。
髪も器用に、洗ってくれた。
なんでも岬さんは、介護士の資格も持ってるらしい。

……というか。
岬さんは寡黙でほとんど話したことないけど、謎の人だ。

岬さんが身体をきれいにしてくれながら、私の身体は自分の身体じゃないみた
いに、自分では上手く動かせなくて戸惑った。

夜になると、岬さんと交代するかのように柏木さんが戻ってきた。
ここに泊まるのだという。

「別に泊まらなくても……」

「おひとりにすることが不安なんです。
病院には許可を取っていますから」

……えっと。
別に病院なんだから、大丈夫だと思うんだけど?

でも、柏木さんは真剣で。

「……じゃあ、お願いします」

「はい。
おなか、すいてないですか?
アイスクリーム買ってきたんですが、食べませんか?」