眼鏡とハンバーグと指環と制服と

やっぱりその人は、黙っててなにもいってくれない。
もっと話さなきゃって思うんだけど、意識はまた、どんどん薄れていった…
…。


規則正しい電子音で目が覚めた。
次第にはっきりしてきたあたまで、病院なのだと気が付いた。
夜なのか部屋の中は暗くて、モニターがぼんやりと浮かんでる。
まわりを見渡すと、傍らのソファーで柏木さんが眠ってた。

「……柏木、さん」

……自分から出た声は、酷く掠れてて驚いた。

「……柏木、さん」

もう一度呼ぶと、柏木さんが身動ぎした。

「……柏木、さん」

さらに呼ぶと薄明かりの中、ゆっくりとまぶたが開いたのがわかった。
起き上がると、私の方へと来る。

「……柏木、さん」

また呼んだら、泣き笑いの顔になった。
私の手を、握ってくれる。

「……すぐに医師を呼びますから」