眼鏡とハンバーグと指環と制服と

……やられた、そう悟ったけど、とにかく早く吐くしかない。

お手洗いまでがひたすら遠い。
途中の柱に寄りかかってずるずると座り込む。
ポケットから携帯を出してボタンを押した。

晃匡さんの事件以降、柏木さんからお子様携帯を持たされてる。
これだったら緊急のとき、ボタンを押すだけで繋がるから、って。

繋がるより先に堪らなくなって、やはりいつも持たされてる、ビニール袋を出
して中に吐いた。

あたまが痛い。
上手く、考えられない。

……もしかして、死ぬのかな?


……誰かが、話してる。
なにを話してるのか、よく聞き取れない。
目を開けると、何故か凄く驚いた顔が見えた。

「……な、つ、き……?」

呼んでみたけど、その人はなにもいってくれない。
ただ、目にいっぱい涙を溜めて、私の手を握って頷くだけ。

「……会いたかっ、た……。
ごめん、ね……。
だまっ、て、いなく、なっ、て……」