眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「例文もいっぱいあり過ぎてわかんない!」

ううっ。
どうしよう……。

精一杯考えても、
‘勇にぃ、加代子さん、ご結婚おめでとうございます。
おふたりの倖せを心からお祈りしています’だ。

もっとこう、なんか……。

「……あ」

「どうされました?」

「『いつも私を妹のように可愛がってくれたお兄ちゃん。
ご結婚、おめでとうございます。
今日は出席できなくてごめんなさい。
きっと、お兄ちゃんが選んだ人なら素敵な方だと思います。
おふたりの倖せを心からお祈りしています』とかは?」

「……問題ないかと」

「うん。
じゃあ、これでお願いします」

「はい」

……勇にぃに、だけど夏生にも宛てたメッセージ。
夏生が別な人見つけて結婚しても、私は祝福するよ、って。
私のことなんか気にしないで、って。

「……気付いてくれるといいな」