眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「……誰……?」

そのうち、ドアが開いて入ってきた男の人は、……知ってる人なんだけど、誰
だか思い出せない。

「柏木です。
すぐに、医師を呼びますから」

……なんでこの人、こんなに泣きそうな顔、してるのかな……。

すぐにお医者さんと看護師さんが来て、私の身体を診察してくれた。
危険は脱したけど、まだしばらく安静が必要、っていわれてわけがわからなか
った。
お医者さんたちが点滴代えたり、さらに注射したりして出て行くと、さっきの
男の人にそっとあたまを撫でられた。

「……意識が戻ってよかった」

目に涙を溜めてる顔は、私のよく知ってる顔で……。

「……泣かないで。
……夏生」

そっと顔にふれるとその人は笑ってくれて、……私は安心して、意識を手放し
た。


……カタカタとキーボードを打つ音で目が覚めた。
部屋の中を見ると応接セットの机で、柏木さんがパソコンに向かってた。

「……柏木さん」