眼鏡とハンバーグと指環と制服と

だからか、懐かしい味がする。

特にコロッケ。

私はコロッケが大好きだ。

気取った洋食のコロッケじゃなくて、いつものスーパーの、お肉コーナーのコ
ロッケ。

休みの日、夏生と一緒に買い物に行って、並んでコロッケを食べながら帰るの
が好きだった。

「……おいしい」

「そうですか?」

「はい。
コロッケ、好きなので」

「……お父様に似たんですね」

「え?」

「夕葵さんのお父様……武史さんとは学生時代、友人だったんです」

ちょっと照れてるみたいに、珍しく柏木さんが笑った。

「奴……失礼。
武史さんも、コロッケが好きでした。
学校帰り、いつも近所の肉屋で買い食いしてた。
芝浦の跡取りの癖に、変わった奴だと思っていました」

「……そう、なんですね」