眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「今日はもう、休んでいてください。
精神的にかなり負担になっているはずです。
香奈恵様には私の方から、もう二度と夕葵さんの前にショートケーキを出さな
いように、いっておきますから」

「……はい」

いわれるがままにベッドに横になると、思った以上に疲れていたのか眠気が襲
ってきた。
ゆっくりと眠りに落ちていきながら、今日の柏木さんは妙に優しくて調子が狂
うな、とか思ってた。


次の日からはいつも通りのスケジュールだった。
柏木さんもいつも通り。
昨日は幻でも見たんじゃないか、って思うくらい。

そのまま日曜日が来て、また私は本家に呼ばれた。

「先週、夕葵さんが喜んでくれたから。
また買ってきたわ」

「……私のために、ありがとう、ございます」

にたぁと笑う伯母様。
私の前には苺のショートケーキ。
気持ち悪い汗が、背中を滑り落ちる。
今日は晃匡さんは来ていない。
なんだか用があるそうだ。

……と、いうか。
先週、連れてこられたことが不服そうな顔してたもん。

眉間に皺が寄らないように気をつける。