眼鏡とハンバーグと指環と制服と

晃匡……さん、は私より三つ年上。
都内の大学に通ってるそうだ。
薬学部でなければ化学系の学部でもなく、さらには経済系でもない、英文科。
はっきりいって、意味がわからない。
しかも、値踏みでもするみたいに私をじろじろ見てる。

「おまえさ。
ケーキ、食わないの?」

「えっ、あ……」

「お口に合わなかったかしら?」

「夕葵さん!」

晃匡さんの一言に注目が集まり、おばあさまはヒステリックに私の名前を呼ん
だ。

「い、いえ。
いただきます」

お皿を持つ手が震える。
嫌な汗が、背中を滑り落ちる。
震えるフォークで、みっともなく音が出ないことを祈りつつ、ケーキを切る。

口に運んで一口。
ケーキなのに味はしない。

込み上げてくる吐き気を押さえ込んで、ゆっくりと一口ずつ、ケーキを口の中
へ入れていく。

全部食べて、紅茶を飲んで。