眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「初めまして。
夕葵、です」

珍しく、私を前にしてるのに機嫌のいいおばあさま。
よっぽど、娘と孫が可愛いらしい。

「晃匡はあなたの夫になる人です。
よくいうことを聞くように」

「……はい」

なんでだろ?
伯母様が怖くて怖くて堪らない。
歯が、ガチガチいいそうになる。
カップを持つ手が、震えないように気を遣う。

「お母さま。
今日は有名パティシエのケーキを持ってきたの」

そういって私の目の前にサーブされたのは、……苺のショートケーキ。

「いろいろ種類はあったんだけど、特にクリームにこだわってる、って話で。
ならって思ってショートケーキにしたわ」

……どうしよう。
あれ、は食べられない。
それに何故か、伯母様とショートケーキの組み合わせって、不吉な感じがす
る。

楽しそうにおばあさまと伯母様が話してるのに、失礼にならない程度に相づち
を打ちながら、ケーキをちらり。