眼鏡とハンバーグと指環と制服と

ほとんど眠らないで本家に行って、おばあさまになぎなたで、したたかに打た
れたこともある。

毎日毎日こんな調子。

高校に通う暇があるなら勉強して、認定試験を受けろといわれた。

忙しくて、夏生のことを考えるのは夢の中だけ。

夢の中で夏生の腕の中に飛び込んで泣いた次の朝、枕が濡れてて苦笑するしか
なかった。


その日曜日、珍しく本家に呼ばれた。

日曜日は柏木さんの授業も、おばあさまのお稽古もお休み。
出された課題と自主学習だけだから、ほんの少しだけ気が休まる日、なのに。

……おばあさまを怒らせるようなこと、なにかやったっけ?

せっかくの休日が一気に真っ暗になった。

本家で通された部屋に入って……恐怖で身体が固まった。
おばあさまによく似た女性と、私とさほど年の変わらなそうな男の人。
神経質そうに笑ってる、その女の人が……怖い。

「夕葵さん。
あなたの伯母になる香奈恵。
香奈恵の息子の晃匡(あきまさ)」