眼鏡とハンバーグと指環と制服と

黙って首を振ると、ぎゅっと抱きしめられた。

「ごめんね、ほんとごめん……」

……夏生があやまること、ないのに。
守られてばっかりの自分が嫌い。
早く、早く大人になりたい。


あのあと、おじさんとおばさんに怒られたって、夏生はやっぱり笑ってた。

ゆずちゃんはいいけど、僕はしばらく出入り禁止だって、って。

今日の夏生は笑ってるんだけど、どこか泣いてるみたいで嫌だった。
なにもできない私にできる唯一のことは、夏生をぎゅっと抱きしめることだっ
た。


いつもなら一週間程度で調子が戻るのに、今回はこじらせてしまったのか、完
全復帰するまでに二週間もかかってしまった。

今日から学校へ復帰するって日、夏生は駅までついてきた。
もう気にすることないんだし、って手を繋いで。

……あれから夏生は。

学校を辞めるといいつつも、まだ辞表を出してない。
転職サイトを見たり、道場で大先生たちに相談しているみたいだけど、やっぱ
り悩んでる。