眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「いつだったか、ジャングルジムから落ちたことがあって。
亜紀ちゃんが呼びに来たときは、血の気が引いたよ。
でもよくよく聞いたら、一番下を踏み外して、足捻っただけだった。
一応、病院に連れて行こうと思っておんぶした途端、わんわん泣き出しちゃっ
てさ。
懐かしいな」

「……覚えてない」

「他にもあるよ。
花火大会のとき……」

夏生の思い出話は続いてく。

あったかい、大きな背中。
とくんとくんて響く、夏生の心臓の音。
凄く、安心する……。


気が付いたら、夏生の腕の中で寝てた。
どうも、夏生のベッドの中みたい。

……一緒に寝てくれたんだ。
よかった。
自分の部屋で、ひとりで寝るなんて、耐えられないもん。

……規則正しい寝息。

前髪、また伸ばすのかな?
このままの方が好きなのに。
お願いしたら、聞いてくれるかな。
なんだかんだいっても夏生、私に甘いもんね。