眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「……うん」

「そんな顔されてもな……。
すぐ、すぐ月原帰ってくるから。
もうちょっとだけ寝てろ」

「……うん」

だんだん、まぶたが重くなってくる。

次に目を開けたとき、私の手を握ってるのは夏生だった。

「目、覚めたんだ」

「……うん。
おかえり……」

「大丈夫、大丈夫だよ」

……そっと、夏生に抱きしめられた。
ずっと我慢してた涙が零れ落ちる。
ひたすら泣き続ける私の髪を、夏生は黙って撫でててくれた。

「食欲、ある?ごはんだって」

「……食べたくない」

「ダメだよ、ちょっとでも食べないと」

仕方なく、近藤家の食卓につく。
今日は勇にぃは帰りが遅いのか、いなかった。
おじさんは特になにもいわない。
毎年のことだから、わかってくれてるみたい。