眼鏡とハンバーグと指環と制服と

夏生の顔見てて。
ここにいちゃいけないって悟った。
私が学校にいれば、夏生は心配で仕事どころじゃない。
亜紀ちゃんちにいればおばさんがいるから、夏生も安心だろう。

「城崎先生には僕からゆっとくから、心配しなくていいよ。
じゃあ、家でゆっくりしててね」

「……はい」

夏生は渡辺先生が席を外していることを確認すると……そっと、私のおでこに
口づけた。

「今日はなにもいわないでね」

あたまをぽんぽんすると、促して保健室を出る。
外に出ると、まだ曇ってはいたけど雨は上がってた。
夏生はおばさんの車に乗るまで、鞄を持ったままついてきてくれた。

「……あら。
凄く具合が悪いって聞いてたけど、そうでもない?」

「……いまだけ、です」

いいことでもあったのかしらねー、っておばさんは笑ってる。
いまはほんの少しだけ、気持ちが楽だった。

「お昼ごはん、まだよね?
なにか食べたいものある?」