眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「うん……そう……。
しばらくは迷惑かけるけど……ごめんね……」

「迷惑だなんて思ってないよ。
大変だね、夕葵も」

「……ごめん」

連休前の席替えでやっぱり私の前の、亜紀ちゃんの席に座って、今度は香織ち
ゃんが手を握ってくれる。

香織ちゃんは私の事情を理解してくれている、数少ない人だ。

大抵の人が時期が時期だけに五月病だと思って、たるんでるだのなんだのいっ
てくる。

私だって、好きでこんなふうじゃないのに。

そのうち登校してきた亜紀ちゃんは、香織ちゃんと一言二言交わしただけで、
無言で私のあたまを撫でてくれた。


授業中、気を抜くとすぐに眠りそうになる。
つらくてつらくて堪らない。

それでもどうにか一時間目をやり過ごし、二時間目は日本史。

教室に来た夏生は、心配そうに私の顔を見た。

授業中も、何度も何度も、私の方を見る。

心配で仕方がない、って顔で。