眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「……ゆずちゃん。
ここ座って」

「……はい」

服を着て出てきた夏生は、リビングの床の上に正座した。
私もその前に正座。

……このパターンは。
長くなる。

「お互いに入ってるときは、絶対にドアを開けないって約束したよね?」

「……はい」

「お風呂のドアだけじゃなくて、洗面所のドアもだっていったよね?」

「……はい」

「最近気がゆるんで、鍵をかけ忘れてた僕もダメだけど。
そもそもドア、開けちゃいけないんだよね?」

「……はい、そうです」

「なのになんで、開けたの?」

「……忘れ物に気が付いて、ついうっかり」

「僕が入ってるの、知ってたよね?」

「……はい」