眼鏡とハンバーグと指環と制服と

夏生の声が、低くなった。
でも、私の口は止まらない。

「だって夏生、今日全然違う顔、してた。
あっちの夏生が、ほんとの夏生なんじゃないかって。
いつもは私に、無理に合わせてくれてるんじゃないかって」

「そんなこと、考えてたの?」

胸から引き剥がされて、じっと目を見つめられた。
真剣な夏生の目が、ちょっと怖い。

「たとえ夕葵が八十歳のおばあちゃんでも、五歳の幼稚園児でも関係ない。
やきもち妬き?面倒くさい?
そこが堪らなく可愛くて仕方ないのに、なにいってんの?
無理に合わせてる?
夕葵と一緒にいるときが、本当の僕だ。
こんなに大事で、堪らなく愛おしく思ってるのに、なんでわかんないのか
な?」

「でも……」

「まだなにかいうつもりなら、その口塞いじゃうよ」

……そういうが早いか。
夏生の唇に、口を塞がれた。
キスされながら、さっきは莫迦なことをいったって後悔してた。

今日の夏生はなんだか、……いつもより情熱的だ。

「これでわかった?」