眼鏡とハンバーグと指環と制服と

建物のまわりは、見学する人でいっぱい。
だって、ここで剣舞があるのはお祭りの隠れ目玉だもん。

やっぱり、っていうか女の人が多い。

……夏生目当ての。

夏生が剣舞を舞うようになってから口コミで少しずつ人が増え始め、いまでは
そこそこの人数になってる。

まあ、理由はわからないでもないけど。

夏生はすでに準備して、正座してる。
ぴんと伸びた背筋。
正面を見つめる、きりっとした顔。

……はっきりいって。
いつものゆるーい夏生とは全然違う。
凄く、張り詰めた空気を纏ってて、そこだけ別の空間みたい。

思わず見とれたら目が合った。
夏生が私に向かって柔らかく笑う。

これだけたくさんの人がいても、あの笑みが私だけに向けられた物なんだ、っ
て思うと……顔が熱くなってきた。


そのうち剣舞が始まった。
三人舞う人の中で、夏生が一番初め。

やっぱり、姿勢がきれい。
動作も。