眼鏡とハンバーグと指環と制服と

……“キスしたくなるよ”

耳元で囁かれたと思ったら、夏生の唇が私のおでこにふれた。

……って!
みんな見てるよ!
どうすんのよー。
帰ったらお説教、だな。

「ゆずちゃんは富栄さんと一緒にいてね。
わかんないことがあったら、富栄さんか美紗子さんに聞いて」

「……わかった」

髪の毛を崩さないように、いつもよりも軽くぽんぽんすると、富栄さんのとこ
ろに連れて行ってくれた。

運良く、美紗子さんも一緒。

美紗子さんは館長先生の奥さんだ。

「富栄さん、美紗子さん、あと、よろしくお願いします」

「あ、えっと、今日はよろしくお願いします」

「はい、よろしく。
夏生くんはそろそろ行かなくていいの?」

「はい、では失礼します」

夏生のきれいなお辞儀にちょっとドキドキしてるあいだに、もういってしまっ
てた。