眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「……はぁーっ。
いくら僕のことが嫌いだからって、そんなことするかな」

夏生の声が呆れてる。

……うん。
高校生の私だって、大人げない、とか思うもん。

「公私混同になるからって、いままでは我慢してたけど。
吉永先生に、ちょっといってもらおうかな」

「だ、大丈夫だよ!
睨まれるだけで、実害はないし。
第一そんなことしたら、また剣道部の顧問、頼まれるよ」

「……うん。
わかった。
けど、なにかされたらすぐにいって?
僕のことより、ゆずちゃんが大事」

「……うん。
ありがと」

夏生の手が、ゆっくりと私のあたまを撫でる。
顔を見たら、眼鏡の奥の目が、細くなってた。
なんだか凄く、……倖せ。


次の日は普通に学校。

お弁当は三つ作る。

私と夏生のお昼の分と、夏生の晩ごはんというか、おやつというか。