眼鏡とハンバーグと指環と制服と

夏生にしがみついてわんわん泣いた。
ずっと止まってた涙は、壊れたみたいに出続けた。


「……よく、眠ってる」

「泣いたんで、緊張の糸が切れたんだろ。
……次、こんなことがあったら、勇にぃが殴るくらいじゃすまさないからな」

「亜紀ちゃん、怖い」

「泊まっていいのよ、夏生くん」

「いえ。
明日から学校なので、帰ります。
……ほんと、お世話になりました」

「じゃあ夏、送っていくから」

「ありがと、勇」

……身体が、揺れる。
すぐ近くでするいい匂いに頬をすり寄せた。

「……だーい好き。
なつき……」

「あらあら」

ほんとに夏生くんのこと、好きなのね——。