眼鏡とハンバーグと指環と制服と

ゆっくり、ゆっくり、亜紀ちゃんが私の髪を撫でてくれる。

「……なあ、夕葵。
その、他の女と……してたことは許してやれ。
結婚する前のことだし、月原だって、いい大人の男なんだし」

「……わかってる、よ。
あたまではちゃんと理解してるけど、いきなり突きつけられて、気持ちがつい
ていかないだけだから」

「そうか」

「……うん」

亜紀ちゃんの手はあやすように、ずっと私の髪を撫でてる。

ゆっくり、ゆっくり。

ほんとは夏生に、こうして欲しい……。


朝起きたら、勇にぃが来てた。

今日は家にいるっていうから、夏生に会ってくる、って。

家を出るとき、私のあたまぽんぽんして、
「大丈夫だ」
っていってくれた。

おばさんが用意してくれてた朝ごはんを食べる。
でも、ちっとも喉を通らない。

朝ごはんもそこそこに亜紀ちゃんと一緒に塾に行く。