眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「亜紀ちゃん?
勇にぃ、は?
え、仕事?
いまから亜紀ちゃんち、行ってもいいかな?」

『どうした、夕葵?
なにがあった?』

「うん。
行ってから話す」

『わかった。
父さん、そろそろ帰ってくるから、そっち回ってきてもらうよ』

「うん。ありがと。
……おじさん、迎えにきてくれるって」

にっこりと笑顔を作って夏生の顔を見ると、あきらかに怯えてた。

「ご、誤解だよ、ゆずちゃん。
た、たぶん、明花里の勘違い、だし」

「子供に心当たり、あるんでしょ?」

「全然ない……とはいいきれない、かも」

泣き笑いで夏生の首ががっくりと前に倒れる。

「もう離婚だね、離婚」

「そんなの、やだよ……」