眼鏡とハンバーグと指環と制服と

……はぁーっ。

すぐに送られてきた返信にまた大きなため息。
ほんと、早く帰ってきてね、夏生。


知らない人だけにするわけにはいかないので、ずーっとキッチンで座ってた。

女はひたすら携帯いじってる。
男の子は無言でゲーム。

というか、このふたりはどういう関係なんだろ?
……親子、とか?

「ねえ。
おなかすいたんだけど。
ごはんは?」

「……ああ、はい」

時計は七時ちょっと前。
夏生から帰るコールはまだない。

「お寿司が、食べたいわねー」

……なんですか、ほんとに図々しい。
勝手に人んちに上がり込んで、ごはん催促した上に、お寿司が食べたい、と
か。
いいですよ、あとで夏生に請求してやるから!

仕方ないので出前を頼む。