「ああ!
もしかして、隣の家の子?
家、なくなってんけど」

「……そうです」

「ふーん」

女は急に興味をなくしたようで、携帯出していじくり出した。
男の子は与えられてる携帯ゲームを無言でやってる。

……いや、だからあなた誰ですか?
どことなく、見覚えはあるんだけど……。

えーっと。
えっと。

「あーっ!」

「なに?大声出さないでよね」

「……なんでもないです」

……たぶん、だけど。

夏生の最後の彼女。
派手目で、私のこと見下してた、あの女……だと思う。

でも、夏生になんの用?

“たぶん、夏生が前に付き合ってた人だと思う。
私が中一の頃くらい”