「なに、この家、客にお茶も出ないの?」

「……」

仕方ないので、一番安い紅茶のティーパックでお茶を淹れる。
男の子には……ジュースとかあったっけ?

買いに行くのは嫌だし、冷蔵庫の中漁ったら、奥の方で眠ってたオレンジジュ
ースが賞味期限切れてなかったので、それを出す。

「この子、りんごジュースじゃないと飲まないのよねー」

知りません、そんなこと。

隙を見てキッチンで夏生にメッセージを打つ。

“誰だか知らないけど、女の人が訪ねてきてる。
あと、幼稚園くらいの男の子も一緒。
心当たりは?”

……はぁーっ、ため息をつきつつリビングの女の人を睨んでしまう。

「あんたさ、誰?
夏生とどういう関係?」

……その言葉、そっくりそのままお返しします。

「な……月原さんにお世話になってる、妹みたいなものです」