眼鏡とハンバーグと指環と制服と

「…………」

夏生はなにかいいたげに、ちらちらとお父さんの方を窺ってるけど、なかなか
タイミングが掴めないみたい。
頑張れ、って心の中で励ましてるうちに、朝食は終わってしまった。


私が片付けをしようとすると、夏生が手伝うといってきた。
けど、今日は心を鬼にして断る。
無言でお父さんと一緒にいることを促すと、情けない顔してリビングに行っ
た。

やっぱり、ちらちらお父さんの顔見てるけど、話し掛けられないみたい。

片付けが終わると、コーヒー淹れて、秘蔵のクッキーを出した。
近藤のおばさんにもらった、デパートじゃないと買えないクッキー。
食べるの楽しみにしまってたけど、仕方ない。
出してあげよう。


お父さんと夏生は、黙ってテレビを眺めてる。
隣に座ると、やっぱり情けない顔して私のことを見た。
ちょんちょんと膝をつつくと、うんうんとは頷く。
けど、やっぱり話し掛けない。

「あの、お父さん」

「……やっぱり夕葵ちゃんに、お父さんとかいわれると、変な気分だな」