眼鏡とハンバーグと指環と制服と

夏生はお母さんの写真は見せてくれたけど、お父さんの写真は誤魔化して見せ
てくれなかった。

「あ、えっと、お父さん、初めまして。
夕葵です。
その……」

「ゆずちゃん。
挨拶はあとでいいから、とりあえず荷物、部屋に置いといで」

「……うん」

夏生に促されて、二階の自分の部屋に行く。
ドアを閉めてちょっと深呼吸。

……今日の服。
塾に行ってたのもあるけど、派手じゃない。
ちゃんと落ち着いて大人な感じの選んだから、大丈夫なはず。
お父さんに気に入ってもらえるといいのだけれど。

階段降りて、何故かそのまま持ってきてた、買い物したものを冷蔵庫に入れ
た。
コーヒーメーカーをセットして、お皿を出してケーキを載せる。
カップを出してコーヒーが入るのを待ってたら、夏生がキッチンに来た。

「……もしかして、緊張してる?」

「……してる」